- トップ >
- 患者様へ >
- 術前運動療法
手術が決定したら何を準備しますか?
答えは、、、
〜プレハビリテーション〜 です!!
「手術はお医者さんに任せるしかない」
「自分でがんばることなんてない」
という時代ではありません。患者さんのがんばり次第で回復の質や術後の生活が決定できるかもしれません。プレハビリテーションをしてみませんか?
プレハビリテーションとは、手術前に運動をしたり、栄養管理をしたり、脳の活性を行うことで、手術後の身体や脳の機能低下を最小限に抑え、早く普段の生活に戻れるようにするための準備です。また、この内容は健康の増進のために重要なことですので、ご家族や、ご自身のために日々の生活に取り入れてもらえればと思います。
では、簡単に内容を説明します。
1、栄養療法
手術を受けるためには栄養状態を万全にする必要があります。手術を受けると栄養障害(体重減少、筋肉や脂肪量の低下、タンパク質の減少)から免疫力が低下しやすくなります。栄養障害があると、手術後の合併症が起こりやすくなるため、手術後の回復に重要である、タンパク質を摂取しバランスの良い食事を心がけましょう。
2、運動療法
運動は手術後の生活に良い影響を与えることがわかっています。手術を受けた後は筋肉量が減るため、手術の前に筋力をつけましょう。運動を継続すると、死亡率が下がり、認知症の予防にもなります。この機会に、運動習慣を身につけて健康長寿を目指しましょう。
準備運動をしてから歩行やストレッチなどをします。高齢者では1日5000歩〜7000歩の歩行が推奨されています。
詳しい運動内容は、[手術前の運動療法] 動画を参照してください。
3、脳トレーニング
術後せん妄という言葉を聞いたことがありますか?
術後せん妄とは手術をきっかけに起こる脳・精神の障害です。手術の後、腕に入っている点滴を自分で抜いてしまったり、そわそわしてベッドから落ちたり、つじつまが合わない話をしたり、大声を出したり、普段ではしない行動を無意識にしてしまいます。術後せん妄は入院期間が長くなったり、認知症の発生率が上がります。その予防のために脳のトレーニングをします。例えば、携帯電話でできるゲームや計算問題などの知能ゲームを好きな時間にすることで、脳を活性化できます。できる限り長時間する方が効果があると言われています。
4、歯の治療
口腔内が不衛生な場合に起こる術後合併症は、誤嚥性肺炎や感染症などですが、これらは生命に危険を及ぼします。歯周病がある場合は心臓の病気にもかかりやすく手術の前はもちろんのこと、定期的に歯科受診をして口腔内の細菌は除去しておきましょう。
5、禁煙
手術を受けるために、なぜタバコをやめないといけないのでしょう?
その理由は、傷の治りが悪くなり傷口の感染の原因になることや、咳や痰が増えて肺炎などの合併症が増えるからです。また、タバコを吸っていると手術後の痛みが強くなるといわれています。
2〜3ヶ月前から禁煙していただきたいのですが、1ヶ月前、2週間前、1週間前、たとえ数日前でも禁煙期間によって効果はあります。是非とも禁煙をお願いします。本数を減らすことに効果はありません。
ご説明した、プレハビリテーションは、手術前だけでなく、手術後も継続すること、または家族で日々の生活に取り入れることで健康の増進となり、長生きの秘訣になるかもしれません。この機会に健康について考えていただければと思います。